PHOTONで3Dプリントが安定して出来るようになってきたので、
造形のコツをまとめておこうかと思います。
まず、DLP方式の仕組みですが、絵にかいてみました。
紫外線を照射すると固まるレジン(液体プラスチック)を
底が透明なタンクに満たし、上から土台を入れる。
土台と底の間に残ったレジン(薄い)に紫外線を照射して、
ディスプレイに表示する任意の形に固めます。
レジンが固まったら一度引き上げて底から固まった部分(造形物)を引き離し、
造形物と底の間に新しいレジンを供給し、適当な高さ(薄い)にします。
そしてまた紫外線を照射して、造形物と底面の間に残ったレジンを固め、2層目になります。
Z方向を何度も上下させて、これを繰り返して完成する、という仕組みです。
XY方向は、任意の形と書きましたが、
以下のようにディスプレイに表示します。
完成形(横から見た形)を図のような形にすると、
スライサーが右側のような画像を作成していきます。
これをZを上下させた1層1層に照射します。
問題は、逆エッジになっている場所です。
土台から生えている場所は土台に張り付きますが、
土台についていない空中部で、土台からの造形物とつながっていない部分と言うのは、
張り付く場所が無くて引き上げられないため、造形できません。(赤い図)
なので、こういう場所にはサポートが必須になります。
スライサーの自動のサポートは過剰で、レジンは消費するし、外しにくいし…。
最低限、逆エッジのところにだけサポートがあれば、
造形できます。
しかも、自動サポートでもたまに逆エッジの部分に
サポートがついていなくて造形出来ていない、ということもあります。
中で少し見にくいですが、
本来青線のように立ってないといけない部分が
緑の線のように寝てしまい、使えません。
また、サポートの台座が小さくて、上手く持ち上げられなかった例もあります。
造形後ですが、PHOTONから取り出したときに、
不要なレジン液が残っている事が多いです。
造形後のアルコール洗浄で落ちる部分もあるのですが、
僕はエアダスターで少し吹き飛ばしています。
吹き飛ばしたあとアルコール洗浄をして、
天日干し、の流れです。
天日干しですが、「フィギュアを載せて太陽光で回る台」という
今まで必要性を感じていなかった奴を購入して、
この上で天日干しをしています。
太陽光が出ているときだけ回ってくれて、
まんべんなくいろいろな方向から光が当たるので、都合が良いと思います。
今のところは以上です。
データ上の問題とサポートのつけ方、残留レジン、天日干しに関して困ったときに参考になればと思います。
レジンの固まる時間等は、気温、湿度、レジンの個体差(液体差?)で変わるので、
いろいろ試すしかないと思います。
僕はANYCUBICの純正レジンホワイトで、底面8層90秒、1層10秒でやってます。
透明系のレジンの方が時間が短くても固まるかな、とは感じました。
以上。